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原因はいつも総合的。 一対一など存在しえない。

今日は(仮称)森田の家のお施主様のご自宅にお招きいただき、現在のお住まいを見せていただきながら、打合せなどさせていただきました。

(仮称)森田の家のお施主様の現在のお住まいは、立派な分譲マンション。
オートロックにアルコーブ。
昔、分譲マンションの設計などをしていたので、懐かしく思いました。

しかし、そのマンション。
雪や福井の気候などのことを考えきれていない部分があり、問題も多く抱えているようでした。
そこで、お住まいにお邪魔して、お話を伺うことになりました。

その最大の問題の一つは「結露」でした。

マンションの設計をしていた頃、「結露」に関して出来る限り発生を抑えるべく、設計においての社内基準がいろいろありました。
今回、伺ったところ、結露がひどいとのことにうなづけるプランニングではありました。
(もちろん、見た目も大事ですが)設計って見た目を整えるってことでは無いのですが・・・
見極めるのは、確かに難しいですね。。。

結露を経験された方の多くは、断熱性能を高めたいとのご希望・ご要望を必ずと言っていいほどおっしゃいます。

それは正しい判断だと思います。
しかし、断熱性能を高めるだけでは、結露は防ぐことができません。
なぜなら、温度が伝わらないわけではないからです。

そもそも「結露」はどうして起こるのでしょう?

冬、窓ガラスを触ると冷たくなっています。
それと反対に、窓ガラス付近の空気(室温)は暖かくなっています。
この温度差に原因があります。

空気には、水蒸気が含まれています。
空気は暖かければ暖かいほど水蒸気をたくさん含むことができ、逆に冷たければ水蒸気を含むことのできる量は少なくなります(飽和水量)。
この飽和水量の差が「結露」になります。

水蒸気を含む空気を冷却したとき、凝結が始まる温度を「露点温度」と言います。
暖かい水蒸気を含んだ室内の空気が、窓ガラス付近などで露点温度まで冷やされた時に、窓ガラスなどに「結露」が発生します。

では、「結露」を減らすにはどうすればいいのか?

空気中の水蒸気が多いと、結露が発生しやすくなります。
したがって、空気中の水蒸気を外に逃がすことで、結露を軽減できます。
特に就寝前の換気は朝方の結露防止に効果的です。

また室内の空気を止めてしまうと、窓際の空気が冷やされ続けて「結露」につながります。
空気を留まらせないことも重要なポイントです。

現在の建築基準法ではシックハウス対策などもあって24時間換気などの基準があります。
その設備を利用して、部屋内の空気を動かし続けるのもひとつの方法ですね。

次に、水蒸気を減らすことです。
石油ストーブや洗濯物の室内干しなどは水蒸気を発生させます。
できる限り、室内での水蒸気の発生を抑える工夫が必要です。

そんな話をさせていただきながら、夕食までご馳走になってしまいました。
(仮称)森田の家のお施主様ご家族の皆様、本当にありがとうございました!