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棟配置は包容力のカタチ

「包容の家」は名前の語源ともなったその棟配置に最大の特徴があります。

先ほどお話したとおり、「機能性(性能)」はとても重要なファクターでした。
性能の中のひとつに機密性能があります(C値)。
C 値(相当隙間面積)とは、建物全体の総相当隙間面積を実質床面積で割ったもので、単位はc㎡/㎡で表されます。測定は実際に建てられた建物で気密測定機械 によって測定され、室内と外気の気圧差が9.8Pa(=1mmAq)時に、どれだけの空気が室内から外部に流出するのかを、住宅の床面積で割って算出しま す。

床面積に対して、外壁面積など表面積が増えてしまうコの字の棟配置は、当然にリスクが高くなります。

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上写真の積み木の表面積は、上部12+下部(床面積)12+側面14=合計38になります。

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それに対し上写真の積み木の表面積は、上部12+下部(床面積)12+側面26=合計50になり、最初のものからすると1.3倍以上の表面積になっています。
つまりリスクは1.3倍程度になります。

性能がとても重要なファクターである「包容の家」がコの字の棟配置を選択したのには、最も大切なことが棟配置にあるということだと思います。

この棟配置をご提案したのは、今回の敷地が東向きの土地だったことにあります。
一般的に今回の敷地に建物をレイアウトすると、きっと北側の隣地境界線に出来るだけ建物をよせて南側を広く空けます。
そうすることで、沢山光を取り込もうとします。
しかし、現在、南側の敷地は空地になっており、どんな建物が南側隣地に建つのかが解らず、プライベートを確保して且つリビングなどに沢山の光を落としこむにはコの字の棟配置が最適と思いご提案しました。

しかし、その意図は当然のこと、お施主様がコの字の棟配置を選択された理由はもっと他のところにあったのだと思います。

それは2世帯住宅であることに答えがありました。

お施主様には、家族がつながっていくニュアンスが、建物の中から感じ取れる必要性があったのだと思います。

打合せの時も、週末は2家族でご飯を食べるや姉夫婦が泊まりに来るなど、家族が集まるということをしきりに仰ってた印象があります。

家族が集まるイメージを、建物のイメージ(棟配置など)に表現できている必要性があったのだと思います。
家族を包み込む包容力のようなイメージです。

そのイメージを、真ん中のウッドデッキ(中庭)と和室(縁側風)で表現しました。
二家族が集まる場所です。

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