「スペース」と「浮気」から考える、後悔しない住まいづくりとは?
家を建てて、後悔したくない。
家を建てる費用は、
人生の3大支出のひとつと言われるほど、
大きな出費を伴います。
だからこそ、
「後悔のない家にしたい」
そう考えるのは、
当然のことだと思います。
しかも、
「家は3回建てないと思い通りにならない」
そんな言葉まであります。
どうして、
そのように言われるのでしょうか?
家を建てる理由と、後悔する理由
少し調べてみると、
家を建てようと思った理由には、
「子どもができた」
「今の家では手狭になった」
「物が増えてしまった」
といった、
スペースに関するものが多く見られます。
一方、
「家を建てて後悔したこと」
を調べてみると、
「収納が足りなかった」
「もっと広くすればよかった」
「物を置く場所が足りなかった」
など、
こちらもスペースに関するものが
上位に出てきます。
あれ?!
不思議だと思いませんか?
家が狭くて困ったから、
家を建てた。
その結果が、
家を建てたのに、
収納が足りなくて後悔した。
どうして、
そんなことになるのでしょう?
「もっと広くすればいい」は、本当に解決なのでしょうか?
家が狭かった。
だから、
もっと広い家にする。
収納が足りなかった。
だから、
もっと収納を増やす。
それは、
一見すると理にかなった考えに見えます。
でも、
それで本当に問題は
解決するのでしょうか?
もし、
「物が多い」
という問題があったとしたら、
家を広くすれば、
物も増えるかもしれません。
収納を増やせば、
収納できる物も増えるかもしれません。
そう考えると、
「スペースが足りないこと」が、
本当の問題だったのだろうか?
という疑問が拭えません。
学生の頃、ある後輩の浮気の相談
こういうことを考えていると、
学生の頃に相談に来た、
ある後輩のことを思い出します。
「彼氏が浮気するんです」
そんな浮気の相談でした。
Aくんと付き合った。
Aくんが浮気をした。
つらい思いをして、
別れた。
そして、
新しくBくんと付き合った。
すると、
Bくんも浮気をした。
「どうして私ばかり……」
そんな話です。
さて、
次に付き合ったCくんとは、
どうなったと思いますか?
ご想像の通り!
Cくんも、浮気発覚(涙)
相手を替えれば、浮気されない?
広さを変えれば、物が片付く?
Aくんが浮気した。
だから、
Aくんが悪い。
Bくんも浮気した。
だから、
Bくんも悪い。
Cくんも浮気した。
そしてDくんも……
浮気(涙)
ここまで来ると、
いや、もっと前から、
「ちょっと待って?」
となります。
問題は、
相手だけにあったのでしょうか?
「なぜ、そういう人ばかりを選ぶの?」
そんな疑問が出てきます。
もちろん、
これは家の話ではありません。
ただ、
スペースに問題があって家を建てたのに、
その建てた家のスペースについて後悔する。
それは本当に、
「スペースだけ」の問題なのでしょうか?
そんなところが、
少し似ているように思えるのです。
住まいづくりも、同じことをしていないでしょうか?
家が狭い。
物が多い。
だから家を建てる。
↓
収納が足りない。
↓
後悔する。
↓
次はもっと収納を増やそう。
↓
それでも、
暮らしが整わず、
物で溢れかえる。
↓
「家は3回建てないと思い通りにならない」
そんな話になっていく。
でも、
本当に、
家を広くすることが答えだったのでしょうか?
もっと収納を増やすことが、
本当の解決だったのでしょうか?
もしかすると、
3回目の家を建てた人は、
3回目になってようやく、
「どうやら、
スペースだけを見ていても
ダメなのかもしれない」
と気づくのではないでしょうか?
これは、
あくまでも僕の予測です。
実際に3回家を建てた方すべてが、
そうだったと言いたいわけではありません。
ただ、
相手を替えても
同じような問題が繰り返されることがあるように、
スペースを替えるだけでは、
同じ問題が繰り返されることがある。
そんなことには、
気づけるのではないかと思うのです。
3回建てずとも、気づけるはず
もし、
「家は3回建てないと思い通りにならない」
という言葉に、
少しでも真実があるのだとしたら、
僕は、
「3回建てることで、
良い家を建てる技術が身につく」
ということだけではないと思います。
もし、
1回目の家で暮らして、
「スペースに問題がある」と感じ、
2回目の家では、
そこを改善した。
ところが、
また何かにつまずく。
そして3回目になって、
「どうやら、
スペースだけを見ていてもダメなのかもしれない」
と気づく。
そんなことも、
あるのではないでしょうか。
つまり、
「広さ」や「間取り」などの
スペースを考えて確保するだけでは、
問題の解決には至らない。
では、
何を見るべきだったのでしょうか?
僕は、
「暮らしへの眼差し」
なのではないかと思っています。
家を見る前に、暮らしを見る。
家の広さを見る。
収納の量を見る。
間取りを見る。
もちろん、
それらも大切です。
でも、その前に、
「この人は、実際にはどんな暮らしをしているのか?」
を見る。
何を持っているのか。
何を使っているのか。
どこで時間を過ごしているのか。
何を面倒だと感じているのか。
何を大切にしているのか。
そして、
何に困っているのか。
そうしたことを見ていく。
「家」ではなく、
「その人の暮らし」を見る。
そこから住まいを考える。
それが、
エクリュが考える
「暮らしへの眼差し」です。
エクリュが考える、住まいづくり
エクリュが行っているのは、
まさにそこです。
現在の暮らしを、
できる限り深く知ること。
3回建てる経験を、
否定しているわけではありません。
経験してみなければ分からないこともあります。
経験は、
とても重要です。
でも、
だとしたら、
今現在の住まいでの暮らしから得られるはずの経験を、
どれだけ深く利用して、
1回目の住まいづくりに生かせるのか。
そこが、
とても重要なのではないでしょうか。
「自分たちは、
何を大切にしているのだろう?」
「どんな時間を、
心地よいと感じるのだろう?」
「何を必要としているのだろう?」
「逆に、
何は必要ではないのだろう?」
そんなことを、
できる限り今の暮らしの中から考えていく。
目的地へ向かうには、
現在地の把握が必要です。
これは、
エクリュの住まいづくりにおいて、
とても重要な考え方のひとつです。
「自分を知る」ことから始める
ただ、
これが簡単ではありません。
「明るい家がいい」
「広い家がいい」
「収納がたくさん欲しい」
「家事が楽な家がいい」
「おしゃれな家がいい」
そうした希望は、
比較的簡単に言葉にできます。
でも、
「なぜ、それが欲しいのですか?」
と聞かれると、
急に難しくなります。
なぜ、
広い家が欲しいのか。
なぜ、
収納がたくさん必要なのか。
なぜ、
明るい家が好きなのか。
そこまで考えていくと、
「欲しかったもの」と、
「本当に必要だったもの」
が違っていたことに、
気づくことがあります。
だからエクリュでは、
Wantsの奥にあるNeedsを探す。
ということを大切にしています。
未来の自分だけを「自分」としない
住まいづくりでは、
どうしても未来を考えます。
「子どもが大きくなったら」
「老後はこうしたい」
「いつか庭で過ごしたい」
「いつか人をたくさん招きたい」
もちろん、
未来を考えることは大切です。
でも、
未来の自分は、
まだ実際には存在していません。
そこには、
どうしても想像が入ります。
期待や希望によって、
未来の自分をつくってしまうこともあります。
だからエクリュでは、
「これからどうなりたいか」だけを、
自分とは考えません。
僕たちが主軸に置いているのは、
「今日までの自分」
です。
「今日までの自分」には、事実がある
今日まで、
どんな暮らしをしてきたのか。
どんな場所が心地よかったのか。
何に困ってきたのか。
何に時間を使ってきたのか。
誰と、
どんな時間を過ごしてきたのか。
どんなものを大切にしてきたのか。
そして、
何を選ばなかったのか。
そこには、
実際に積み重ねてきた時間があります。
想像ではありません。
「実際の自分」
です。
もちろん、
過去が未来を決めるわけではありません。
人は変わります。
だから、
「今までこうだったから、
これからもこう」
と決めつける必要もありません。
大切なのは、
過去を未来に固定することではなく、
過去の事実を手掛かりに、
これからを考えること。
なのだと思います。
「良い家」を探すより、「自分にとっての良い」を探す
僕たちは、
「良い家とは、
こういう家です」
と決めることはできません。
広い家が良い人もいれば、
小さな家が良い人もいる。
収納が多い方が良い人もいれば、
物を持たない暮らしの方が良い人もいる。
明るい家が心地よい人もいれば、
少し陰影のある空間が落ち着く人もいる。
だから、
「良い家」を探すのではなく、
「自分にとっての良い」を探す。
その方が、
住まいづくりの出発点としては、
自然なのではないでしょうか。
ウェルビーイングが続く住まいへ
住まいは、
完成した瞬間がゴールではありません。
そこから、
何年も、
何十年も、
暮らしていくものです。
だからこそ、
完成した瞬間に満足することだけではなく、
暮らしの中で、
無理なく心地よさが続いていくこと。
それが、
大切なのだと思います。
そのためには、
家を大きくすることよりも、
収納を増やすことよりも、
まず、
「自分たちにとっての良い」を知ること。
そのために、
エクリュは、
住まいの話だけではなく、
その人自身の話をします。
今日までの暮らしを振り返り、
まだ言葉になっていない「良い」を探し、
それを住まいという形にしていく。
3回建てることで見つかるかもしれない答えを、
できることなら、
1回目の住まいづくりの前に。
それが、
エクリュが考える、
「自分を知ることから始める住まいづくり」
です。
