「今どこにいるか?」現在地を知らないまま、家づくりは進められるのか
ただ、その前に、
もうひとつ大切なことがあります。
それは、
「今、自分がどこにいるのか」
ということです。

家づくりを考えはじめると、
多くの人が「理想の暮らし」について考えます。
どんな間取りがいいか。
どんなデザインが好きか。
どんな暮らしがしたいか。
もちろん、それはとても大切なことです。
ただ、その一方で、
あまり意識されていないことがあります。
それが、
「今の暮らしがどういう状態なのか」ということです。
どこに不満があるのか。
何にストレスを感じているのか。
逆に、何はすでに満たされているのか。
このあたりまではイメージしやすいのですが、
もっと当たり前の日常になると、
意識にのぼらせるのが難しくなることがあります。
たとえば、
仕事から帰ってきたとき、最初にどこへ向かうのか。
玄関や車のカギはどこに置いているのか。
お風呂に入るまで、どんな流れで動いているのか。
上がったあと、どこで何をしているのか。
聞かれれば答えられるかもしれませんが、
日常生活は無意識に流していることが多く、
あらためて言葉にするのは意外と難しいものです。
こうした「現在地」が曖昧なままだと、
理想の暮らしを描いたとしても、
それは、
現実から少し浮いたものになりやすい。
いわゆる、
「絵に描いた餅」のような状態です。

そしてそのまま進んでしまうと、
完成したあとに、どこか噛み合わない感覚が残ることがあります。
理想は叶っているはずなのに、
なぜかしっくりこない。
それは、
理想が間違っていたのではなく、
出発点が曖昧だったから
なのかもしれません。
どこに向かうかと同じくらい、
どこから出発するのか。
「現在地」は、とても重要です。
むしろ現在地がはっきりしていないと、
どんなに良い目的地を設定しても、
そこに辿り着くことは難しくなります。
エクリュでは、
間取りや仕様を考える前に、
まず「今どこにいるのか」を整理するところからはじめます。
それは、問題を探すためではなく、
これから進む方向を、自分で理解するためです。
遠回りに感じるかもしれませんが、
この工程があるかどうかで、
その後の選択の精度は大きく変わります。
そして結果として、
無理のない、続いていく暮らしにつながっていきます。
もし、理想の暮らしを考えているのに、
どこか現実とのズレを感じているとしたら、
それは「理想」が問題なのではなく、
「現在地」がまだ見えていないだけかもしれません。
一度、自分の立っている場所を見つめてみる。
そこから始まる家づくりも、
あるのではないでしょうか。
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