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注文住宅の予算調整で大切なこと。減額より「全体を見る」

注文住宅の予算調整で大切なこと。減額よりも「全体を見る」

 
この週末にも、(仮称)高木町の家の打合せがあります。

現在、エクリュでは、契約内容を決めるための予算調整の打合せを進めています。

住まいづくりも、いよいよ契約という段階です。

この時期になると、これまで打合せを重ねながら積み上げてきたものを、もう一度見直すことになります。

そして、どうしても出てくるのが「予算」です。

土曜日の予算調整などの打合せ風景


エクリュの契約は、原価オープンの見積りから

 
決して、他社さんのことを良く知っている訳ではありません。

ただ、原価オープンではない住宅会社の場合、契約時の金額には、ある程度「予算取り」の要素が含まれるのではないかと思っています。

まだ細かな仕様が決まっていない部分についても、ある程度の予算を見込んで契約する。

そのため、契約後に細かな仕様や設備などを決めていく中で、金額が変わっていく、もしくは予算の範囲で提案を行うこともあるのではないでしょうか。

一方、エクリュは、原価オープンの見積りで契約を行います。

ですので、できる限り細かな部分まで作図し、仕様を決定してから契約に至ります。

「契約してから決める」のではなく、

「決めていくことで、契約する内容が見えてくる」

ここには、他社さんとは大きく違う順序と、重要な意味があると考えています。

厚みがかなり分厚いエクリュの契約書


契約前になると「減額」に目が向く

 
話を戻して……。

その契約金額や仕様を調整する打合せが、この週末にもあります。

この段階にくると、どうしてもエクリュもお施主様も「減額」に意識が向きます。

もちろん、予算調整で範囲内に収めることは、とても重要です。

家づくりには、使えるお金に限りがあります。

だからこそ、WantsからNeedsを絞り出し、限られた予算の中で、本当に必要なものを選んでいく。

この工程なくして、住む方にとって良い住まいは成し得ない。

これは、これまで多くの住まいづくりに携わってきた経験からも、強く感じています。

ただ、ここには一つ注意が必要です。

「減額すること」そのものが、いつの間にか目的になってしまうこと。

これだけは、避けなければならないと思っています。


「いくら安くなるか」だけでは、家づくりは見えなくなる

 
エクリュでは、Needsを4+1の要素で分析することを考えています。

  • 社会性
  • 芸術性
  • 機能性
  • 経済性
  • 生産性(Needsではなく、エクリュが判断する要素)

 
この4つのNeedsと、エクリュが判断する生産性。

それぞれを見ながら、住む方にとっての「必要」を考えていきます。

ところが、契約前の予算調整になると、どうしても「お金」に目が向きます。

「いくら下がるのか?」

「これをやめれば、いくら安くなるのか?」

もちろん、それは大切な問いです。

でも、その問いだけになってしまうと、いつの間にか「経済性」だけが大きくなってしまいます。

使い勝手はどうなのか。

暮らしのイメージはどうなるのか。

家全体としての美しさはどうなのか。

長く住み続ける上で、本当に良い選択なのか。

そういったことまで、一緒に見ていく必要があります。


一つひとつは正しくても、全体ではどうでしょう?

 
家づくりは、一つひとつの選択を積み重ねていく作業です。

だからこそ、部分だけを見ていると、全体が見えなくなることがあります。

一つひとつの選択は、決して間違っていない。

それなのに、全体として見ると、どこかバランスが悪い。

そんなことがあります。

例えば、洋服でもそうです。

シャツはとても素敵。

パンツも素敵。

靴も素敵。

時計も素敵。

ところが、それらを全部合わせてみると、なぜかしっくりこない。

そんな経験はないでしょうか。

一つひとつを見ることと、全体を見ることは、少し違います。

住まいづくりも同じなのだと思います。

だからこそ必要になるのが、

「俯瞰する」という視点です。


自分を知る。そして、全体の中に置いて眺める。

 
だからこそ、家づくりには「自分を知ること」が必要なのだと思います。

自分は何を大切にしているのか。

どんな暮らしをしたいのか。

何を必要としていて、何は必要ではないのか。

Wantsの奥にあるNeedsは何なのか。

それを知ること。

でも、それだけでは十分ではありません。

自分を知った上で、それを全体の中に置いて眺める。

そのための、俯瞰する目が必要なのだと思います。

「これが欲しい」

「ここは絶対に譲れない」

そう思うことは、とても大切です。

それは、その人自身の価値観だからです。

でも、その一点を守ることで、他の何かを犠牲にしていないか。

その選択によって、住まい全体のバランスはどうなるのか。

そこまで見ることができて、初めて「選択」と言えるのではないでしょうか。


「脱力」は、考え抜いた先にあるのかもしれない

 
もうひとつ、大切なのが「脱力」なのかもしれません。

執着を手放し、肩の力を抜く。

子供の頃、父とキャッチボールをしていて、肩の力を抜くよう言われたことがあります。

そうしないと、ボールに力を十分に乗せることができないからです。

それと同じように、「絶対にこうしなければならない」という力を少し抜いて、全体を眺めてみる。

そうすると、今まで見えていなかったものが見えてくることがあります。

もしかすると、脱力するためには、先ずは精一杯力を込めることが必要なのかもしれません。

何も考えずに、

「まあ、これでいいか」

とすることは、脱力ではない。

十分に考えて、悩んで、迷って、選んだ。

その上で、

「これでいい」

と手放す。

それが、本当の意味での脱力なのかもしれません。


エクリュがつくりたいのは、「判断しやすい環境」

 
では、エクリュには何ができるのでしょうか。

エクリュが、お施主様に代わって答えを決めることではないと思っています。

「これが正解です」と押し付けることでもありません。

むしろ、それをしてしまえば、お施主様自身が考え、選択する機会を奪ってしまうことにもなりかねません。

だからエクリュがしたいのは、

お施主様自身が、全体を俯瞰して判断できる環境をつくること。

小高い丘にお連れするように、少し離れたところから全体を見られるようにする。

そして、必要な情報をできる限りお渡しする。

考えるための材料を増やす。

それでも、最後に選ぶのは、お施主様自身です。

その選択を、エクリュが代わりに背負うのではありません。

自分たちの暮らしとして、自分たちで選んでいただく。

それが、エクリュの考える「自分ごと」の住まいづくりです。


減額するのではなく、「何を残すか」を考える

 
予算調整することは、決して悪いことではありません。

むしろ、限られた予算の中で暮らしをつくる以上、とても大切で意味深い作業です。

ただ、

「何を削れば安くなるか?」

だけを考えるのではなく、

「何を残したいのか?」

と考えてみる。

そのためには、

「なぜ、これが欲しいのだろう?」

「これは、本当に必要なのだろう?」

「これを残すことで、暮らしはどうなるのだろう?」

「これを削ることで、何を失うのだろう?」

と、一つひとつ考えてみる。

そうしてWantsからNeedsを見つけていく。

そして、それを家全体の中に置いて眺めてみる。

その結果、

残すものもある。

手放すものもある。

最初は絶対に必要だと思っていたものを、手放すこともあるかもしれません。

逆に、

「これは削らない方がいい」

と気付くこともあるでしょう。

それでいいのだと思います。


大切なのは、選択の結果だけではない

 
家づくりでは、たくさんの選択をします。

土地。

間取り。

窓。

床。

壁。

照明。

家具。

設備。

そして、予算。

これらの選択に、絶対的な正解があるわけではありません。

選択には、得るものがあれば、失うものもあります。

だからこそ、

「何を選んだか」だけではなく、「どのように選んだか」も大切なのだと思います。

自分たちのことを知ろうとしたか。

必要な情報を得ようとしたか。

目の前の金額だけで判断していないか。

全体を眺めたか。

そして、

「これは自分たちが選んだことだ」

と、自分ごととして受け止められるか。

そんな選択の積み重ねが、住まいの先にある暮らしにも影響していくのではないでしょうか。


ウェルビーイングが「続く」ために

 
住まいは、完成した瞬間がゴールではありません。

そこから何年も、何十年も暮らしていきます。

だからこそ、その瞬間だけ満足できる選択ではなく、

暮らしの中で、無理なく続いていく選択であること。

それが重要なのだと思います。

住む方のバランスされたNeedsを住まいに落とし込むことなくして、ウェルビーイングが続く住まいにはなり得ない。

そのことを、エクリュはこれまでの住まいづくりを通して、強く感じてきました。

だからこそ、契約前のこの時期にこそ、私たちはもう一度、全体を見ます。

何を残すのか。

何を手放すのか。

そして、それは本当に、

「自分たちが望んだ選択」なのか。

目の前の金額だけではなく、その先にある暮らしまで見通す。

そのために、エクリュが少し離れたところから、全体を見ている。

そして、お施主様自身が、自分たちの選択として決められる環境をつくる。

それが、

理想の暮らしが、無理なく続いていく住まい。

ウェルビーイングが続く住まい。

そのための、エクリュの住まいづくりなのだと思っています。