心の避難場所
今日は「三有の家」の2年点検を行いました。
「三有の家」はその名の通り、サードプレイスが家の中にあるお住まいです。
サードプレイスとは、家庭でも職場でもない、「ほっと一息つける自分だけの場所」です。
家族としての自分でもなく、職場での自分でもない、ありのままの自分でいられる空間。
「三有の家」は、そのサードプレイスを家の中にしっかりと確保しました。
ご主人と奥様がそれぞれ一人になれるスペースを設けており、仕事から帰るとまずはそのサードプレイスへ。
「今日も一日お疲れさま」と、自分自身をリセットする時間を過ごしてから、家庭モードに切り替えてLDKへ向かう。
そんなルーティンが自然にできあがっているのです。
今日はその「三有の家」の点検でしたが、ご主人のゲーミングルームも奥様のヌックも、それぞれの世界観を構築していました。
点検結果は、すこぶる良好で安心。
何より、とても健やかに暮らしていただいていることが、お住まい全体からも伝わって来ます。
オーナー様らしさを感じたのが、『お客様用のスリッパがありません!』というLINEでのご連絡でした。
思わず笑ってしまいましたが、それもそのはず。
この家は、あくまでお二人の「避難場所」。
訪れる人を迎えるためではなく、心を解きほぐし、自分たちを取り戻すための場所だからこそ、
「誰かを迎える準備」なんて、すっかり忘れてしまうのも納得です。
未だお子様がおられないので、子供部屋は、お二人で使用する趣味部屋になっていました。
2年が経過して「三有の家」がさらにオーナー様らしく進化していることが、本当に嬉しい今日でした。
この家が、これからもずっとお二人の「心の避難場所」であり続けることを、心から願っています。
最後に、僕の好きな建築家、ルイス・バラガンの言葉で、今日のお話をしめたいと思います。
静けさこそが、苦悩や恐怖を癒す薬です。
豪華であろうと質素であろうと、
静謐な家をつくることが、
建築家の義務なのです。
私の家は、私の心の避難場所でした。