違った角度がつくるモノ
想支の家は、挑戦的な試みをされています。
そのひとつのポイントが、天井面にあります。
出来る限りダウンライトを排して、フラットの天井をみせる様にしています(シンプルにみせる天井)。
しかし、空間の明るさは、壁や天井、床などの光の反射によって認識される割合が大きいです。 特に壁に照射する事は、その反射光が目に入りやすい為、影響が大きいです。
そう言った意味で、ウォールウォッシャーやダウンライトなどは、光源を少なくして明るく感じさせる事に有効です。
フラットの天井をみせる事が、ひとつ、重要ポイントの(仮称)西田中2の家は、それらを用いる事が出来ず、部屋を明るくする事はせず、スタンドなどを用いて必要なところに明かりを灯す方法を選択されています(部屋全体を明るくするのでは無く、ポイントを明るくする方法)。
ロウソクで明かりをとっていた時代と同じ考え方です。
日本には陰翳礼讃と言う言葉が、北欧にはヒュッゲと言う言葉があります。
さて、写真は階段室の手すり壁と勾配天井です。
違った勾配を持つ手すり壁と天井。
これには意味があります。
手すり壁の天端には照明ボックスが仕込まれてあり、勾配天井を照らします。
勾配のズレが、光のグラデーションを作ります。
明るいところと暗いところが面の中に生まれます。
陰翳礼讃です。
この階段室の斜め天井は、夜のファサードにも影響を与えます。
更なる奥行きを演出する事になるのですが・・・
仕上がり点灯されるのが、今からとても楽しみです。