デザインの
考え方と導き方

Design

ここでは、私たちエクリュにとっての
「デザイン」についてお話したいと思います。
「デザイン」という言葉は
世にあふれていますが、
考え方や導き方によってその方向性は
大きく変わります。
お客様の「まん中」を
一緒にデザインしていくために、
ぜひご一読をお願いします。

デザインとアート

誤解されやすい
「デザイン」という言葉。

まず、「デザイン」という言葉の認識についてお話したいと思います。いろんなシーンでよく使われている言葉ですが、よく誤解されやすい言葉でもあります。その原因の一つとなっているのが、デザインに似た言葉「アート」でしょう。私たちがアートの定義としてとらえるのは、自らの中から湧き上がる感情や想いなどをかたちにすることです。これに対してデザインは、クライアントなどお客様の想いやアイデンティティなどをかたちにする仕事です。

「ニーズ」があり、「機能」があり、
「美」が備わっていること。

また、デザインには具体的な機能も含まれていると考えています。椅子を例にするならば、「座りやすさ」という機能もデザインであるため、「デザインはいいけれど座りにくい」というような言い回しはまちがっていると思うのです。そしてもうひとつ大事な要素として、人を感覚的に惹きつける「美しさ」があります。求められている「ニーズ」があり、応える「機能」があり、そこに「美」が備わっていること。それがデザインだと考えています。

ニーズとウォンツ

例えば、正規品とリプロダクト品。

デザインに対するアートのように、ニーズにもよく似た言葉があります。それは「ウォンツ」です。例えばここに、デザイナーのアルネ・ヤコブセンがデザインしたスワンチェアがあるとします。正規品(フリッツ・ハンセン)の新品はファブリックのものでも約50万円以上、革製だと約100万円の値段です。徹底した品質チェックを受け、保証やアフターの体制も万全です。そして、同じくここに、見た目は正規品とほとんど変わらないスワンチェアのリプロダクト品(版権切れの製品を正規メーカー以外が製作した製品)が、5万円以下の安価であったとします。あなたなら、今、どちらが欲しいですか?

ニーズがなければ、
デザインは生まれない。

「正規品には憧れるけれど、そこまでこだわらないからリプロダクト品でいいや」というならば、正規品に対するあなたの意識は「ウォンツ」です。「いや、私にとって必要なんです!」とご購入される場合は、「ニーズ」ということになります。つまりニーズとは費用対効果のバランスの合っている状態。住まいのデザインが求めるのは、ウォンツではなく、ニーズです。「欲しい」ではなく「必要」。お施主様のニーズがなければ、デザインは生まれません。そのために、弊社の建築デザイナーはお客様と対話して、お客様の中にあるニーズを引き出します。

見た目が同じ
正規品とリプロダクト品
どちらを買いますか?

ニーズの分析

イメージマップの使用による
潜在的ニーズのキャッチ。

住まいづくりの流れ」でも触れていますが、 最初にお客様がご希望される住まいのイメージは、直感的で数字や言葉にしにくいものであることが多いです。ただ、そこには、真意や傾向といった潜在的なニーズが隠れています。弊社のデザイナーはこの「潜在的なニーズ」を引き出すツールとして、イメージマップを用います。これは、写真など直感的な要素を並べてお客様の想いをイメージで理解する方法で、言葉にできないニーズに対しての共通認識を持つのに役立ちます。イメージマップを使用する方法は、立体的な空間のご要望を受け取ることに最適で、色調やトーン、家具なども含めたニーズを捉えることができます。

「建築の5品質」による分析。

対話やイメージマップによるコミュニケーションでお客様から得たニーズについて、本当に共通認識を持つことができているかを確認する必要があります。その際に私たちが用いるチェック基準が「建築の5品質」です。これは「社会性」「芸術性」「機能性」「経済性」「生産性」を指し、これら5つの品質の軸にお客様から得たニーズをあてはめて分析していきます。

社会性

立地条件を十分に考慮して確認します。
建築の持つイメージや時代性、環境との距離などを探っていきます。

芸術性

お客様の感覚を建築にどのようにフィードバックしていくのかを、
形状・素材・色彩などで表現。お客様のアイデンティティを探ります。

機能性

安全性・利便性・快適性・耐久性それぞれの切り口から、
お客様の生活スタイルや動線計画を探っていきます。

経済性

維持管理の経済性も含め、
あらゆるニーズの費用対効果を探ります。

生産性

機能性の一部でありながら生産性に結び付く品質。
性能の安定や経済性についてを特化して探っていきます。

つまり、デザインとは、
住まいの本質そのものなんですね。
そのためにニーズを引き出し、
いろんな分析をする
ということ、か。