帰自の家
「住まいに帰る」が、
「自分に帰る」であること。
この住まいが目指したのは、帰宅時、本来の自分へリセットさせてくれる環境。お気に入りに満ちた平屋の空間。柔らかな光が心地よい間接照明。お肌しっとり長続きの酸素美泡湯。収納たっぷりキッチンなど。本来の自分へ帰ったら、また、新しい明日へ向き合います。
- 延床面積〜30坪
- 家族構成2人
所在地
福井市灯明寺
用途
専用住宅
構造・工法
木造軸組構造
延べ床面積
66.66㎡(20.16坪)
打合せ期間
2021年6月~2022年10月(17カ月)
契約工期
2022年10月~2023年5月(7カ月)
備考
平屋
終の棲家
プライベート性
静謐な空間
天空光・間接照明
ペットと暮らす
コンパクトと開放感
屋根を印象的にする理由
帰自の家のファサードで印象的なのは、軒裏が木目調の大屋根です。 エントランスの位置を暗示する意味に加え大切なポイントがあります。 それは帰自の家の名前の由来にあります。
帰自の家は、家に帰って来る事で、ありのままの自分に戻れる事が、コンセプトです。 その事を屋根にも表現しました。
帰自の家の屋根は、雨雪や日差しなど外的要因から住む人を守る盾の様にも見えます。 帰って来た「あんしん」を演出するファサードになる事を目指しました。
光による「静謐」をつくる方法
静謐な空間である事を目指しました。
「静けさこそが苦悩や恐怖を癒す薬」と建築家ルイス・バラガンは言っています。 静けさの中にあってこそ、自分を取り戻す事が出来る、そう考え、変化が大きい直射日光の侵入を抑え、天空光で空間の明るさを確保。 光による静けさを演出しています。
また、吹抜けを設け、高い位置から天空光が降り注ぐ様にして、霧の様な光のシャワーに包まれる雰囲気を感じさせて、落ち着きをつくり出しています。
吹抜けは、夜には間接照明のあかりで、空間の落ち着きを演出しています。
プライベート性と開放感
平屋でありながら、周辺の目線を気にせず暮らせる「帰自の家」。
とてもプライベート性が高い住まいです。 外界を切り離し、周辺を気にすることなく本来の自分へリセット出来る環境としました。
一方で、空間の開放感が感じられる工夫を、形状や素材、色彩などで行っています。
「プライベート性と開放感」という相反するファクターを実現しています。
色によるリトリート
好きな色に囲まれて寝るのも、きっと本来の自分へリセットする助けになるはず。
ホワイトのベースの中に、ブルー、グリーン、グレーなどが取り込まれています。
その色の使い方が、単に空間のイメージカラーに止まらず、エリア分けやつながりの強調など論理的に使用されています。
「理(ことわり)」がある事も、落ち着きやリトリートにつながります。