想支の家
省く美しさを、支える。
余計な要素がない空間で、ふさわしい生活スタイルを維持したい。
その想いを支えるために、エクリュのデザインは機能します。
フラットな天井づくりには、スタンド照明設置の想定を。
モノをなくすことに対しては、壁面裏に隠れた収納空間を。
理想の暮らしのデザインは、「建てる」と「続ける」でできています。
第 41 回 NICHIHA SIDING AWARD 2024 ニチハ賞
- 延床面積30〜40坪
- 家族構成3人
所在地
丹生郡越前町西田中
用途
専用住宅
構造・工法
木造軸組構造
延べ床面積
104.18㎡(31.51坪)
打合せ期間
2023年1月~2023年7月(7カ月)
契約工期
2023年8月~2024年3月(7カ月)
備考
ホワイトキューブ(ギャラリーライク)
フラット天井
照明計画
和室
プライベート性
タイルデッキ
トルボー220
植栽計画
美術館やギャラリーのような空間に暮らす
趣味が美術館巡りのオーナー様。そんな空間で暮らしたいとの想いがありました。
美術館やギャラリーのようなホワイトキューブの空間をつくるのは容易な事。しかし、その空間で暮らすとなると、それは困難を極めます。
そこで空間に、暮らしを支える仕組みや設えを備えました。
天井面は極力フラットに
ホワイトキューブの空間に近付ける為、天井面には可能な限りダウンライトやシーリングライトなど照明器具を設けず、単純なフラット形状にする事になりました。
手元のあかりなど、明るさが必要な箇所はスタンドなどで確保する事とし、スタンド配置に合わせコンセントを設けてあります。
建築と照明器具の分離を図る事で、ホワイトキューブに近付けました(≠建築化照明)。
線を減らすミニマリズム
ルーフテラス上部の軒天の見付けは、厚みを感じさせない形状になっています。
垂れ壁の重みを廃する事で、軽快なイメージを付加すると共にミニマルなファサードを実現しました。
また、斜めになった軒天は、反射板の役割を果たし、軒天から乱反射したあかりが夜の外観に、あたたかみのある印象を与えています。
役割を分けるミニマリズム
階段の1段目の蹴上は、壁と同じ面にあります。しかし、壁と同化する事なく階段の蹴上として存在しています。
見た目をミニマルにするならば、階段の1段目の蹴上は壁と同かさせた方が良いのですが、想支の家は、照明計画にも現れているように、考え方をミニマルにしています。つまり、「役割を明確に分ける」との意味です。
照明器具を見せない建築化照明が支流ですが、照明器具は照明器具、天井は天井と役割を分けたように、階段も、壁は壁、階段は階段とした結果、写真のような形状になりました。