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気密測定

今日は、想支の家の気密測定を行いました。

気密測定とは、専用の機械を使って家全体でどれくらい隙間(面積)があるのかを測る事を言います。
この計算によって割り出された住宅の気密性の値を「C値(相当隙間面積)」と呼びます。
気密性が高い住宅は、外と室内の空気の出入りが少なく、断熱性・省エネ性が高い住宅となります。

弊社は原価オープンの見積りを採用しているので、弊社の都合で行う気密測定以外は、ご要望されると当然、費用を発生させての測定となります。

想支の家は、その形状からC値を確保するには不利な部分があります。

C値を確保するのに有利な形状は、1階と2階が同じ面積で、形状も出入りが無いサイコロのようなキューブ型です。
床面積に対して外気に面する面積が比較的少なく済むからです。
この事は、断熱性にも言えます。

しかし、想支の家は、下屋と言って平屋部分が多くあり、1階が2階より広い建物です。
また、階段下に外収納を設けるなど、外気に面する部分を増やしている形状をしています。
つまり、C値を確保するには不利な建物形状をしています。

ところが今日の気密測定では、0.5㎠/㎡を切る結果が出ました。
これも、皆さまが丁寧な施工をしていただいているおかげと感謝しております。
(キューブ型だと、もう少し良い数字が出たと思います)

お住まいを建てる理由は、C値などの性能を確保する事が主目的ではなく、暮らしを豊かにする事にあるだろうから、その「暮らしの豊かさ」という意味がどこにあるのかで、キューブ型にすれば良いという訳ではない事は、十分に承知しています。
性能など数字はむしろ、目的ではなく「豊かな暮らし」を得るためにクリアすべき条件かも知れません。

想支の家のように、内外のつながりを強調する事で、広がりを感じられる伸びやかなリビングの実現や、ファサードからの印象など、視覚的な演出による豊かさを引き上げる必要性も、もちろんあります。
想支の家が、気密・断熱に不利な形状をしているのは、数字では語り切れない暮らしの豊かさを求められた結果でもあります。

その上で、今日のような気密測定結果が出た事は、とてもありがたい事です。