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感覚と知識

偶然、二日連続して、料理人の方と打合せをさせていただきました。

そうして感じたのですが、料理人の方ってアスリートのようですね。
感覚を常に安定させる事を心がけられていると言うか・・・ストイックです。

味の感覚って、安定させるのは至難の業だと感じます。
コロナになった程の事でも無くとも、熱が出たりするだけで、食べたい物が変わるように、体調で味覚も変化しています。

そんな感覚の安定を保つ為に、24時間・365日、鍛錬と言っても良いような生活を送っておられるのが、アスリートのようだと感じました。

感覚は不安定です。
それを補う、ちょうど道標のようなのが、知識だと思います。

今日の打合せでは、意識に上がって来ないが(顕在化はしていないが)、確実に影響を受け続けている事。
それはまるで福井県年縞博物館でみた地層のように降り積り続け、いずれ大きな影響になっているような事のお話をしました。
「食」で例えると「添加物」のようなモノでしょうか?

例えば、照明器具の演色性の話しをしました。

全ては光の反射や吸収で物質などを認識しています。
ですので、光の質が変わると、色んな物の見え方が変わります。

太陽光が色を最もキレイに見せる事が出来る光ですが、人工の灯り、特にLEDは、太陽光に近付けず欠落した可視光線(色)があります。

照明器具が如何に幅広い可視光領域を再現出来ているのか?それを示した指数に演色性(Ra)があります。

料理は目でも味わうと言いますが、演色性の低い照明器具下の料理は、せっかく味が良くても見た目で効果が減ってしまう事があります。

人には視力の差があるように、その光の質の差をさほど感じない方も中にはおられるかも知れません。
しかし光の質が違う事実はそこに有れば、その影響は知らず知らずのうちに蓄積されて行き、長年経てば大きな違いになっている場合がある事をお話しました(塵も積もれば山となる)。

とは言え知識は、誰かが見出したモノ。
大切なのは自分から出てくるモノ、ご自身の感覚です。
知識はその道標にしか過ぎません。

自分を知って受け入れる事から、全てははじまります。