楽しくなくっちゃお家じゃない
「想像力の家」のお施主様とはじめてお会いしたのは「つながりの家」の内覧会でした。
もっとも印象に残っているのは、楽しそうに家への想いを語られるご主人の姿です。
今でもはっきりと、映像で記憶しています。
ご主人とお話しすると、とても理論的でまた距離感といいますか、コチラの立場を守っていただいていると感じられる、いわゆる大人の会話をされる方です。
しかし、そのご主人のおうちへの想像は、まるで秘密基地のような、ワクワク感が満載のイメージを受けました。
そう、最初にお会いした日、楽しそうにお家への想いを語られてた、あの日のご主人の印象のままです。
お風呂の向こう側には裸のままで外に出ることが出来るインナーテラスがあります。
そのインナーテラスはキッチンにもつながっており、お風呂上りにほてる体を冷ましながらビールを喉に落とし込むといったイメージのことが出来るようなレイアウトになっています。
このご要望は初回の打合せ(2006年1月22日)の時にお風呂へのこだわりを話され、またその後(2006年2月23日)には露天風呂のようなお風呂と表現されています。
最初から、いや、家を考え始められた頃(エクリュと出会う前)からずっと想い続けてこられたのだと思います。
左写真は子供部屋のベッドの写真です。
ベッドを造り付けにした理由もご主人の子供の頃からの「夢」ではないかと勝手に思っています。
子供部屋にはロフトが欲しいと、これもかねてからずっと仰ってました。
ロフトと言えるのか、どうかはありますが、ベッドが2段ベッドの上のほうだけみたいな感じになりました。
しかも、このベッドの頭の部分には単行本のマンガが収納できる本棚が設けてあり、やっぱり秘密基地のような雰囲気があります。
写真は主寝室へ続くキャットウォークです。
やはりこれも最初の打合せからご要望としてあがっていました。
思うのですが、ご主人は日常の中に非日常的な要素が欲しいと思われていたのだと感じます。
例えば安定に対しての不安定だったり、奥に見えているストリップ階段も最初からのご要望ですが、お施主様の言葉は「オブジェ的な階段が欲しい」と表現されています。
単調になりがちの日常だから、ちょっとした刺激がある非日常を求められたのだと思います。
そこで、このキャットウォークには特徴があります。
それは手摺り壁の高さです。
建築基準法では落下防止手摺りの高さは1100mm以上と定められています。
ですので、大体どこの手摺り壁も1150~1200程度の高さになります。
しかし、「想像力の家」の手摺り壁の高さは550mm程度です。
FIX窓を入れ込んでいるので、建築基準法の落下防止手摺りの基準は免れます。
こうすることで、キャットウォークの非日常間をさらに増幅させました。
上写真は主寝室に併設されているご主人の書斎です。
後ほどご説明しますが、「色」は「想像力の家」のなかで重要な役割を果たしています。
この書斎は全て真っ赤。
また、開口部から吹抜けを通しリビングの雰囲気を感じ取れるようにしてあります。
左写真は和室です。
あえての2畳の和室です。
「ご飯を食べた後ゴロっとしたい」とのご要望がありましたが、この和室でゴロッとすると朝になっていると思います。(笑)
かなり落ち着きます。
あと、段差も日常を切り替える上で重要な役割を果たしています。
この和室は壁にあいている穴へ入っていくイメージになっています。
壁の向かうにこっそり部屋があるといった感じ。
ちょうど忍者屋敷のような感じでしょうか?(笑)
守られているような安心感が得れます。
何だかワクワクするような、その場所へ行きたくなるような、そんなスペースがいっぱい詰まった「想像力の家」です。