家は家族と過ごす場所
「しぜん体の家」を語る上で「家族」は外すことができません。
どのご要望にも「家族」という名詞が付随されていたと感じます。
・家族と一緒に学ぶスペースが欲しい
・家族でお月見などの行事を楽しみたい
・いつも家族の気配を感じられるようにしたい
全ては家族といたい場所(スペース)として設計されたと感じます。
家族をつなげるアイテム。
これは2004年のときから変わらずいただいてたご要望です。
それは吹抜けのある家。
ただ、わたしの中で矛盾がありました。
家族と一緒に過ごす感じを建物として演出するには、空間がこじんまりとしている方が向いていると思ったかたです。
あまりに空間が広がると、一緒にいるという感覚は薄れてしまいます。
そこで、空間を近付ける(狭く見せる)ような工夫をしました。
吹抜けの天井面は2階の天井面より550mm程下げて、吹抜けのCH(天井高さ)を2階とのつながりを殺さず、出来るだけ低くなるようにしました。
次に吹抜けの天井面を黒い色に塗装し、天井に重みを持たせることで空間が膨張して見えないようにしました。
こじんまりととまではいかないまでも、一体感は感じ取れる程度の広がりとして、抑えることができました。