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和室は不要?それとも必要?

「和室はいるか? いらないか?」
打合せの際によくそう言った話になります。

「あれば便利だろうなぁ~」
「例えば、誰かが泊まりに来た時とか」
「オシメをかえる時とか」
「でも、和室より、リビングを広く取りたいかなぁ~」
などなど、皆さん悩まれます。

大切な事は、色々な物事をイメージではなくシッカリとした認識に落とし込んでいく事だと思います。
そして出来れば、それらを数値化すると、より分かりやすいですね!

例えば・・・
お客様が泊まりに来る回数。

今まで年間で何日または何回、来客者が宿泊されたか?
家が広くなる事で、その回数はどの程度増やそうと考えているか?
和室の必要性を「誰かが泊まりに来た時の部屋」と考えているのなら、出しておいて無駄のない数字です。

例えば・・・
床仕上材の金額。

あくまでもイメージ(概算)ですが、以下に色んな床仕上材で6帖の部屋の床で施工した金額を出してみましょう!

縁ありの1畳たたみの場合
6帖:8万6千円 (平米単価:8700円/㎡)

縁なしの半畳たたみ(琉球畳)の場合
6帖:14万3千円 (平米単価:14400円/㎡)

フロアー材(シート貼や単板貼など)
6帖:11万7千円 (平米単価:11800円/㎡)

無垢フローリング材(カバなど)
6帖:17万2千円 (平米単価:17300円/㎡)

300角磁器質タイル貼り
6帖:12万1千円 (平米単価:12200円/㎡)

こんな風に数字にすると、分かってくることがあります。

ニーズ(NEEDS)はウォンツ(WANTS)とは似て非なるものです。
ウォンツは欲しいと希望する衝動的ニュアンスであるのに対し、ニーズは費用対効果をより明確に理解し、選択する事です。

後悔が少ないようにするには、ウォンツをニーズに落とし込んでいくか、決して人のせいにすることなく、自分のウォンツを信じ切るかのいずれかしかありません。
どちらもステキな選択の仕方ですが、ご自分の選択がいずれかを認識する必要はありますね!

次は、和室の使われ方の違いによる、プランの違いを観ていただきましょう。

上の写真は乗算の家の写真です。
乗算の家は雛人形を飾るスペースやリビングの延長としての使用をお考えでした。
また、お住まいの名前の通り、イメージなど色んなモノをかけあわせていく中に、和のイメージがありました。
縁側を思わせるような床の角材は、洋と和の乗算によってデザインされました。
雛人形を飾るステージ(舞台)のようにも観えてきますね!

想円の家の和室は、子供達の勉強部屋だったり、乗算の家と同じく、デコレーションのスペースでもあります。
またダイニング・キッチンとリビングスペースをやわらかくエリア分けする役割もあります。
LDKの空間に和室という家具が入り込んだ様にも観えます。

小さなお子様がおられる新流の家は、オシメをかえたりオモチャで遊んだりとリビングの延長として使用される和室です。
また、天神様の掛け軸を飾る為のデコレーションスペースでもあります。

両美の家の和室は茶室をイメージされました。
県外におられるご両親が泊まりに来られることも想定はされていますが、基本的にご自分達ご家族がハレを楽しむ空間として設けられました。

唯二の家は客間と寝室を和室にされました。
上写真が客間。
下写真が寝室です。
寝室には、寝転んで本を読みたいとのご要望から本棚が設けられています。

三雲の家も寝室は和室。
写真はLDKにあるリビングの延長の和室です。
客間としても使われるので、仕切って部屋にもなります。

今日遊の家の和室は、床の間にイタリアのタイルを敷きこんだり、スプーンカット仕上げの無垢材の床仕上だったりと、豊かなイメージの空間です。
いつもとは違った雰囲気をご家族で楽しむ為の空間です。

歳がいけば和室が恋しくなるかどうかは、正直分かりません。
歳をいけば演歌を聞くってわけでもなさそうですし、祖母は(和室で)ベッドで寝てイスに座っています。

だけど和室には心地よい空気があります。
凛とした空気感だったり、イグサの落ち着きのある香りだったり、和室の良さはあります。

大切なのはニーズかどうか。
住まいづくりは自分を知るところにあります。