ブログ

ウッドワン研修 【財団法人ベターリビング】

昨日はホテル金沢にてウッドワンさんの研修があり、弊社も参加させていただきました。
エクリュはウッドワンさんが行われている長期優良住宅先導的モデル事業(超長期優良住宅・俗に言う200年住宅など)の認定工務店に加えていただいています(つまり、エクリュは超長期優良住宅のお住まいをご提供できます)。
ウッドワンさんが考える住まいづくりのありかたがエクリュの考え方に一致していると認めていただいたからです。
その考え方とは、家(カタチ)をご提供するのではなく、住まいや関係など形だけでない部分のサービスをご提供することで、よりお施主様にあんしん・満足・誇りをご提供できたらと考えているところだと認識しています。

研修の中で、財団法人ベターリビングさんからのお話がありました。
そのお話にとても感動したのでご紹介いたします。

ちょっとその前に、財団法人ベターリビングとは・・・
なじみが深いのはBL認定品など、ある一定の水準をクリアした商品に(財)ベタールビングが認定されたもので、メーカーさんなどのカタログにBL認定品とかかれたものなどを目にされた方もおられるのではないでしょうか?
そのような、優良住宅部品認定事業。
その他としては、つくば建築試験研究センターにて様々な実験や評価などを行っておられる団体です。
その(財)ベターリビングさんから、今までの住宅産業に関する国策と今後の住生活産業に関する国の考え方を、データや取り巻く環境などからご説明をいただきました。

戦後の住宅不足に対応する為、国は様々な政策を実行してきました。
昭和25年 住宅金融公庫こ設立
昭和26年 公営住宅法の制定
昭和35年 日本住宅公団の制定
これらを中心に
昭和41年 「住宅建設計画法」を制定
5年ごとに建設戸数目標策定し、量の確保を図ってきました。
この政策は40年間(8期)続きました。
これらの政策で、住宅の量は確保できましたが、資産価値が平均15年で消滅してしまう住宅や平均30年で壊されてしまう住宅(欧米は70年)など住宅を使い捨てするような状況も同時に生まれてきてしまいました。
そしてその結果、豊かな暮らしが実感できないといった国民意識が芽生えました。

「豊かさが実感できない」「少子高齢化」「環境問題」
様々な取り巻く環境から国は新たな住宅政策へ、転換します。
それがフロー消費型の社会からストック型への転換です。
つまり量から質への転換です。
ここまでは学校で習いました(笑)。

実際目に見えるカタチでそれらのことが実感できるのは、以下のような内容です。
平成18年 住生活基本法の制定
平成21年 長期優良住宅の普及の促進に関する法律
・ 木のいえ整備促進事業(長期優良住宅普及促進事業)
・ 住宅エコポイント
・ 長期優良住宅先導的モデル事業
・ 既存住宅流通活性化等事業

つまりこう言うこと。
「量」 ⇒ 「質」
「建築基準法」 ⇒ 「住生活基本法」
「規格化した商品化住宅」 ⇒ 「住まい手の暮らしを重視した住宅」
「値段」 ⇒ 「価値」
への転換とも言い換えることが出来ます。

(財)ベターリビングの方にお話いただき、とても感動したのはココからです。
今までは住宅を売ってきたという雰囲気がありましたが、これからは「売り手」と「買い手」の関係では無く「良きパートナー」としても住まいづくりが本当に求められてきます。
地域に、お施主様に密着した「暮らし」のサポートが我々のやるべきこと。
「住宅産業」から「住生活産業」への脱皮が必要です。
嬉しいお話でした。
ここ最近、住宅の性能ばかりが問われてきました。
性能表示制度や長期優良住宅もそういう部分が大きいです(超長期は少し違う部分もあります)。
スペックを上げることがいい住宅をつくることのように。。。
でも、エクリュでは建築の質を5つの軸で図っています。
もちろんスペックも大切な軸のひとつです。
でも、まだ、4つもある。
また、建築(器)の質よりもっと大切なものがあります。
この日のベターリビングの方のお話は、そのことを仰っていたと思います。

私たちの「豊か」って感じる定義が難しいように、この問題は難しいです。
想いやカタチの無いものだけで豊かを実感し続けることが出来るほど、人は強くもないのかも知れません。
やはりカタチは必要です。
でも、私たちがやらなければならないことは、お施主様(住まい手)の豊かな暮らしづくりをプロフェッショナルとして応援・援助し続けることであることは、間違いないと実感できた研修でした。
とても素晴らしい研修でした。