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言葉にならない想い(ニーズ・要)

分かりやすい事は、良い事だけど、重要な事は、いつも解り難いものです。

家事動線がコンパクトな間取りは、誰が見ても容易に分かります。
しかし、住む方のコレまでの暮らし方や動作、クセまでを意識した間取りである事を、他人が理解するのは非常に困難です。

間取りを含めお住まいのプランニングは、コンパクトな家事動線だけではなく、住んでなおキレイが保たれる為にも、住む方のコレまで(現状)やコレから(理想の暮らし)を深く理解する必要があります。

コレまでの暮らしや動作、クセなどからの間取りである事は、打合せを幾度も重ね、ご検討を繰り返して来られた住む方(お施主様)や僕には、その線(間取り)が観てとれるのですが、きっと他の人には、せいぜいコンパクトな家事動線ぐらいしか見られなかったりするのでしょう。

自分を超えては、観る事は出来ない、と言う事でしょうか。

そもそも、家事動線がコンパクトな事は、住まいを得る上で「目的」ではありません。
それは、理想の暮らしを得る為の「手段」です。

ただ、確かに言えるのは、分かりやすい事は、良い事だけど、重要な事は、いつも解り難いと言う事です。
そこにいつもジレンマが生じます。

伝える事は難しいですが、感じる事なら出来るかも知れませんね。
理解とは、概ね願望に基づく事が多く、感じる事の方が真実に近付けやすい場合もあります。

「理想の暮らし」
言葉にすると何か良い感じがしますが、具体的には観えて来ない事はありませんか?

「理想の暮らし」とは、いったいどんなモノなのでしょう?

「理想の暮らし」とは、「住む方々の価値観(ニーズ)が落とし込まれたお住まいでの暮らし」と、弊社では考えています。

人間関係同様、人と物との関係性も、比較的不要なモノ(ノイズ)が増えれば増えるほど自分を失って行く結果に繋がり、幸福感は減少して行きます。
人間関係では、そう言った比較的不要なモノを「しがらみ」と表現しています。

そう考えると、自分たち家族にとって良い暮らしを得るには、欲しい家(ウォンツ)から、必要充分、可能で有れば必要最小限(ニーズ)まで絞り込む必要があります。

「Wants(ウォンツ)からNeeds(ニーズ)に絞り込む必要性」

この意味へのご理解が浅い方には、浅ければ浅い程、その作業は困難や苦痛を増します(産みの苦しみ)。
しかし、後にはじまる新居などでの暮らしを考えた時、その大変な作業は確実に生きて来ます。

「しがらみの家」では無い、「ありのまま自然体の家」。
つまり、無駄な負荷や抵抗などが抑えられた、住む方々にとっての良い住まいになっているからです。

ちなみ・・・
「しがらみ」が多い事は、「環境」など外から押し付けられているでは無く、「しがらみを受け入れる(その方が得)」とのご自身の選択による結果である事を付け加えておきますね。

オーナー様をはじめ、弊社にお越しいただけるお客様やお施主様は、皆さまニーズでお住まいを建てる必要性にご理解いただいています(感じていただいています)。

弊社では、顕在化したニーズはもちろん、潜在化している沢山のニーズを掘りおこし共有化してお住まいに落とし込む事を考えて、打合せの仕組みやツールなどを設けています。