数値じゃ測れない“空間の感覚”を、伝えるために。
「分かりやすさ(理解)」と「そんな感じ(感覚)」
家づくりでは、「広さ」や「明るさ」といった数値で比べられる要素がたくさんあります。
でも本当に大切なのは、そういう“量”ではなく、“感覚”かもしれません。
たとえば、「この部屋、なんだか落ち着くね」とか、「空気がスッとしていて気持ちいい」など。
それは単に面積や天井高では測れない、“空間が与える印象”から生まれるものです。
重力のような空気を感じたこと、ありますか?
空間の“感覚”の中でも、僕が特に大切にしているのが「重量感」や「密度感」です。
たとえば、地球上にいながら「ここ、1.5Gくらいあるんじゃない?」と感じるような場所、ありませんか?(笑)
歴史の重みを感じる場所。空気がピンと張っていて、身体の奥が引き締まるような空間。
たとえば、大政奉還が行われた二条城の二の丸御殿の大広間。
あそこなんて、体感的にはむしろ「2G」くらいあるかもしれません(二条城だけに2G城?:笑)。

感覚を、共通言語にしていく試み。
エクリュでは、「イメージマップ」という手法を使って、お施主様と感覚を共有しようとしています。
気に入った外観やインテリアの写真を集め、それらの共通点を言葉にしていく。
好みのテイストや空間の方向性を、“感覚”ではなく“言語”として共有していくツールです。
僕はこのイメージマップをつくるとき、「重量感」や「密度感」も同時に言葉にしていきます。
他にも、「緊張と緩和」など、まだ誰も数値化できていないような感覚を、少しでも伝えられるように。
ボキャブラリーが足りないな…と思うことも多いですが、それでも懸命に言葉を探します。

単に“置ける”ではなく、“どう在るか”。
たとえば、「W2500×D900のダイニングテーブルが置ける空間」。
それはもちろん大切な条件です。
でも、それだけではまだ足りません。
そのテーブルが、どんな“在り方”でそこに存在すれば、空間がもっと心地よくなるのか?
それが、お施主様の好みに合った空気感をまとえるのか?
素材や色、形状のバランス。窓との関係。光の入り方。照明の計画。
ひとつひとつは小さな要素でも、それらが絶妙に組み合わさって“空間の密度感”が生まれていくのです。
それをどのようにお伝えすれば、ご理解いただけるのか。
昨日の打合せでは、あらためてその難しさを痛感しました。

分かりやすく、そして深く。
どんなことでも、結果を出すために必要なのは、結局“地道な積み重ね”しかありません。
ありがたいことに、エクリュのお施主様たちは、どの方もお忙しい中でも時間をつくってくださり、じっくりとご検討くださいます。
そのお気持ちに甘えることなく、短い打合せ時間でも
「分かりやすく」そして「深く」伝えられるように、これからも工夫と努力を重ねていきたいと思います。
そんなことを考えながら、今日は「密度感」をどう伝えるか?をテーマに、イメージマップの作成を行っていました。