「思想」と「環境」──目に見えない“本質”をデザインするということ
本当に価値のあるものは、目に見えない
住まいづくりにおいて、見た目の美しさや機能性は確かに重要です。
けれど、エクリュが最も大切にしているのは、実は「思想」と「環境」です。
──これは、目には見えません。
けれど、このふたつが無ければ、
どれだけ整ったディテールや最新の設備を詰め込んでも、
それは“住まい”ではなく、ただの“箱”になり下がってしまう。
私たちは、ただの「建物」ではなく、生きた“場”をつくりたいのです。
ディテールや技術は、誰かに真似される
たしかに、エクリュの家には細やかなディテールや工夫がちりばめられています。
でも正直に言えば、それらは技術や経験の蓄積で誰でも再現ができてしまうもの。
たとえば、メーカーの技術資料を参照すれば施工できるものも多いし、
一部はスーパーゼネコンや技術研究者の成果を引用している部分もあるかもしれません。
つまり、それは「エクリュならでは」ではない。
「思想」と「環境」は、コピーできない
では、エクリュらしさとは何か?
それは「思想」──つまり、
住まいとは何のためにあるのか?
その暮らしが人にどんな影響を与えるのか?
人はどのように暮らすとシアワセか?
という根本的な問いに向き合い続けている姿勢です。
そして、その思想に裏打ちされた「環境」──
自分を知ろうとするお施主様が、その探求を深められるような関係性とプロセスを整えること。
これこそが、他の誰とも類似しない「エクリュの提供価値」だと、私は感じています。
人は「目に見えないもの」をどれだけ大切にできるか?
ただ、多くの人は「思想」や「環境」にはなかなかお金を払えません。
それは目に見えないから。評価しにくいから。
人が「目に見えるもの」にしか価値を感じにくいのは、住まいづくりに限った話ではありません。
たとえば、著作権が軽視される文化の背景にも、「形あるものだけが価値である」という意識や、「オリジナリティ=自分らしさ」を育みにくい環境が影響しているように思います。
しかし、そうした物質的な価値観だけでは、心豊かに生きることは難しい。
本来、人が人らしく在るためにこそ、目に見えない「思想」や「環境」が必要なのだと、私は信じています。
サン=テグジュペリなら、わかってくれるはず
アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(星の王子さま)はこう言いました。
「大切なものは、目に見えないんだよ。」
──エクリュが提供しているものも、まさにそれだと思っています。
お金にはなりにくいし(笑)、
派手な広告効果も生まれにくい。
けれど、それを評価してくださる方がいる限り、私たちはその「思想」と「環境」を設計し続けます。
自分自身を深く知りたいと思ったとき
その探求を共にできる環境が、エクリュにはあります。