情報を減らす為に、減らせない線。
美術館やギャラリーのような空間に住む事が理想で、検討を進めた想支の家。
ギャラリーライクに反してしまうが、ギャラリーライクな暮らしを現実に近付ける部分のひとつが、上写真です。
ホワイトキューブを目指しているので、当然、オーナー様からは、凸凹や線を極力減らしたミニマルな形状を求められました。
ところが上写真は、壁が凹み、線が水平垂直に何本も走っています。
更にその線の走り方が、アシンメトリーである事にお気付きになりましたか?
この線は全て収納の扉(建具)なのですが、左側の建具は大きく1枚ですが、右側は3枚に分かれています。
弊社では、現在のお住まいでの暮らされている状況をご確認いただき、どんな物がどれくらいあるのか?や、どんなふうに過ごしておられるのか?など情報の共有化をして行きます。
それらを新築住宅のプランニングの際、落とし込んで行くのです。
その結果が、単純な壁(形状)にならず、収納の扉の線や窪みが出来る事になりました。
打合せの中で、くつろぎの時間など音楽を聴いて過ごされている事を教えていただきます。
また、こだわった音楽の再生機材をお持ちである事も。
右側の扉が3枚に分かれている理由は、真ん中の扉に、これらの音楽に関する機材やソフトが収容され、また再生されるのが理由です。
ギャラリーライクな暮らしを実現するには、生活情報を減らし飾られる物などに絞って行く必要があります。
その為の「線」が増えてしまう事になりました。
また、アシンメトリーにもなりました。