起源はタレルの部屋?
想支の家は、美術館やギャラリーのような空間、ギャラリーライクな暮らしを目指して出来たお住まいです。
美術館やギャラリーのような空間を設ける事は、そんなに難しい事ではありません。
しかし、実際の暮らしや生活がはじまり、ギャラリーライクな暮らしを続ける事は、決して容易な事ではありません。
そこで、ギャラリーライクな暮らしを続ける為に建築が出来る事を出来る限り検討したのが想支の家です。
ルーフテラスの軒先が薄くなっているのが、上写真から見て取れます。
これは、タレルの部屋の話が打合せ中に出て来た事によるモノです。
タレルの部屋の最も魅力的な部分のひとつは、天井と空が同一面に存在する点です。
つまり、天井に厚みが存在しないように見えているポイントです。
残念ながら、木造建築では厚みをゼロにする事が非常に困難で、多少の厚みは発生してしまいます。
結局打合せ中にタレルの部屋は無くなってしまうのですが、出来るだけ厚みを見せない納まりを検討していたそのなごりが、この庇の先端に残っています。
庇の先が薄くなっているのは、他にも理由があるのですが、それはまた別の機会にお伝えするとして・・・
打合せ中に出てきたキーワード(タレルの部屋)がこんな風にカタチになり、一般的な住宅建築ではしない納まり・形状が、美術館やギャラリーのような施設建築に見える事で、ファサードもオーナー様の願いに近付く結果になる、面白いお話でした。
ちなみに、「ファサードが施設建築に見える」ポイントは、外構のつくりにもあり、その事は以下のURLをご参照くださいませ。
https://www.ecru-arc.co.jp/blog/work-blog/soushi/青い空と白い外壁、そして新緑