清く正しく美しく──「本気で好きなら」から始まる住まいづくり
“誠実な関係性”を育むには、時に覚悟が求められます。今回はある恋のエピソードを通して、「関係性と覚悟」の本質を綴ります。
好きな人がいて、その子と一緒にいたいと思った。
──あなたなら、どうしますか?
誰よりも早く気持ちを伝えて、付き合ってもらえるように懇願する。
それも一つの方法でしょう。
でも僕は、(敵とは思っていないけれど、あえて表現するなら)恋敵に電話したんです。「今から告白に行くよ」って。
ある意味、そんな行動が原因で、彼女と一緒にいられない時間が生まれてしまったのかもしれません。
でも僕にとって「一緒にいる」というのは、ただ物理的に側にいることだけではなかった。
精神的なつながり、関係性の純度、そしてお互いに「ズルくなく、正当であること」を尊重し合えること。
僕は、そんな誠実な関係性を築きたかった。
だから、恋敵に敬意を払い、正面から彼女に想いを伝えに行ったんです。
結果は──そのときは出ませんでした(笑)
でも、その彼女は今──僕の妻です。
関係性の「純度」と「深さ」──誠実さとは何か?
繰り返しになりますが、僕にとって大切なのは「状況」や「形」ではありません。
どんな「関係性」か。
どれだけ「純粋」で「深い」ものか。
清く、正しく、美しく──誠実な関係性を築くうえで、その姿勢を、何より大事にしてきました。
それを軽んじてまで、何かを得ようとしたり、奪ったりすることはできない。
なぜなら、そうしてしまえば失われるものがあるからです。
それは、清く、正しく、美しい関係性。
その代償は、あまりにも大きいのです。
好きなら、できること
だから僕は思うんです。
本当に好きなら、関係性を、ひとつずつ、落ち着いて見つめていけばいい。
自分のことも大切。
でも、相手のことも同じように大切なはずだから。
住まいづくりも、きっと同じです。
何かを奪うような形で、
効率や損得だけで、
慌ただしく決めるものではなくて。
本当に大切な人と一緒に過ごす場所だからこそ、
覚悟を決めて、丁寧に向き合ってほしいと思うのです。
本気で覚悟をするなら、僕もその準備はできています。
本気の人に、本気で応える準備──それは「関係性」への覚悟です。
でもそれは、単なる「設計の準備」や「工事の段取り」のことだけではありません。
むしろ、たとえば──原価も開示し、エクリュの利益もお伝えします。
それは、お施主様がご自身の価値観で“費用対効果”を見つめ、
本質的な選択ができるようにするため。
それが、僕にとっての“フェア”であり、“信頼”なんです。
そんな会社や業態、どれだけあるでしょう?
でも、僕はそこまでやります。
なぜなら、僕は「関係性」を築きたいから。
僕とお施主様。
お施主様と物。
その物で構成される家。
家と暮らし。
関わるすべての人たち。
それらが清く、正しく、美しくつながってこそ、
本当に豊かな住まいになると信じています。
その関係性の上に築かれる日々こそ、シアワセ(仕合わせ)と呼べるもの。
それを諦めた瞬間から、大切な何かが崩れ始める。
僕は、そう思う。
だから僕は、逃げません。
誠実な関係性と向き合う覚悟が、僕にはあります。